「新しき冷蔵庫よろこぶ春の君かな」
10年越しでカミさんがほしがっていた冷蔵庫を春のボーナスで買ったときに作った俳句だ。カミさんに、「君のことだよ」というと、妙に喜んでくれた。
俳句が好きだ。学生の頃、塾で国語を教えていたときに、「面白いな」と思ったのがきっかけだ。私が子供達に国語を教えるなんて、今思うとずいぶんな話だったなと思う。
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ある日、突然、友人から携帯のメールに俳句が送られてきた。
俳句が好きだといっても、これまでは俳句という作品を読むだけだった。けれど、人はある程度歳をとると厚かましさにも磨きがかかるんだ。交換日記ならぬ、携帯交換俳句を始めてしまう。冒頭の俳句もそんな交換携帯俳句のひとつだ。
交換携帯俳句は面白い。
携帯という媒体は交換俳句に最適なコミュニケーションのツールなんだ。どこでも書ける、送れる、推敲できる、しかも、俳句自体はとても短い。
そして携帯俳句は、俳句が極めて私的なコミュニケーションツールであることを思い出させてくれる。俳句自体の出来なんて実はどうでもよいのだ。なぜなら、俳句自体が極めて私的なコミュニケーションツールだから。共有した時間、思い出、ちょっとした感覚を、送った相手と共有することができるれば、それでオーケーなのだ。冒頭の俳句も、送った相手もカミさんをよく知っているからこそ、ニヤリとできて意味がある。
そして携帯俳句は、普遍性なんて実はどうだっていいということも思い出させてくれる。それは今の世の中で結構大切なことだと思う。
(2005年12月07日 mixi 改)
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